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小ネタシリーズ8 完現術者と滅却師と死神代行51

 小ネタシリーズ8
 完現術者と滅却師と死神代行51
 一護 雨竜


 特殊空間であるという認識がいまいちらしい一護の発言に、雨竜は理解しやすい言葉を選んで言う。

「一護、綺麗さっぱり忘れているようだけど‥‥‥ここは、建築確認書に記載されていない場所なんだよ‥‥‥電気なんか引けない‥‥‥もとい、電気工事の人間なんて入れない場所なんだけど」

 そう言われて、一護もハッとする。

「あっ‥‥そっか‥‥でも、電灯をつけたり消したりした方が楽なんじゃねぇ~の?電気の延長コードを使えば簡単じゃん」

 修行の場所へと入る為に、開封の呪文を唱えて入ったという事実は記憶にあっても、死神化して戦った過去があっても、ごく一般的な感覚の持ち主である一護は、常識にとらわれた発言をする。

 非常識な環境で戦って来たにもかかわらず、常識を愛する一護であった。

 そんな一護の性格を愛してやまない雨竜は、苦笑いを浮かべながら、根気良くどうしてそういうコトが出来ないかを説明する。

「それじゃ‥それを通す為に、隠し扉を開けたままにするのかい?」

 言外に、ここってどういう空間か理解かってる?と訊く雨竜に、一護もその事実を思い出し、言葉に詰まる。

「うっ‥‥‥」

 次の言葉が出てこない一護に、雨竜は茶目っ気を込めた口調で言う。

「この光を満たしておくと‥‥空気を清浄に保てるんだ‥‥そして、埃が出ない‥‥掃除する必要が無いしね」

 雨竜からの修行場の空間説明に、一護は目を見張って首を傾げ、改めてその空間をグルッと見回して訊く。

「えー便利だなぁ~‥‥じゃ、この階段状のモノや円錐形のモノとかetc.は?」

 これってなぁーに?状態の一護に、雨竜は根気良く説明を繰り返す。

「遮蔽物や足場として使用する為に有るんだよ‥‥‥修行は大半が戦いの効率イイ方法を覚えるモノだからね」

 雨竜はどうして?坊や状態の一護が納得できるようにと、説明を続けるのであった。


 と、いうところでタイムアウト。続きは、また明日。

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テーマ : 二次創作
ジャンル : サブカル

小ネタシリーズ8 完現術者と滅却師と死神代行50

 小ネタシリーズ8
 完現術者と滅却師と死神代行50
 一護 雨竜


 雨竜の親切な申し出に、一護は嬉しそうにおシッポを振る大型犬のような表情で答える。

「マジ?」

 その表情を見て、雨竜は苦笑しながら頷く。

「余分な疑問が有ると、流し込みが旨くいかない可能性が出るからね」

 簡潔だが、一護でも理解しやすい言葉での説明に納得する。

「そっかー‥‥‥じゃ質問」

 とても嬉しそうな一護に、雨竜は穏やかな口調で応える。

「なんだい?」

 一護はそんな雨竜の表情を伺いながら、この空間に入った時に感じた一番の疑問を口にする。

「この空間の光の源は?」

「銀筒に霊子を集めてから、聖別した水晶にその霊子を入れる‥‥そして、呪文を唱える‥‥輝きをもたらすもの‥それは天地に宿る聖なる源‥‥数多の聖霊の力‥光を満たせ‥‥‥水晶球に‥‥というぐわいにね」

「へぇ~‥霊子とそれを収束する呪文かぁ~‥‥どのくらいその輝きは持つんだ?」

「収束させた霊子の質と量によって変わるよ‥‥‥だから、一概に一年持つとか一月で終わりだとは言えないんだ」

「ふぅ~ん‥‥水晶球に霊子を入れた滅却師の能力によって変わるのかぁ」

「他には?」

「どうして影が無いんだ?」

「霊子の光だから‥‥としか言えないね‥‥‥ボクにも原理んが判らないから」

「そんないい加減でイイのか?」

「電気も電球も無い時代に‥‥昼でも夜でも‥‥何時でも修行出来るようにする為に、光が必要だからって、祖先の滅却師が工夫したモノだからねぇ~」

「明るきゃイイってコト?」

「そうだよ」

「今は、明るくするのに色々方法があるけどぉ~‥‥‥」

 首を傾げてそう言う一護に、雨竜は苦笑する。


 と、いうところでタイムアウト‥‥つぅーかオーバーしちゃった。続きは、また明日。

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小ネタシリーズ8 完現術者と滅却師と死神代行49

 小ネタシリーズ8
 完現術者と滅却師と死神代行49 雨竜


 自分の周辺の空間を見回した一護は、妙な違和感を覚えてから納得する。


 あっ‥‥‥そっか、変な違和感って、影の類が無いんだ。

 光の加減のセイなのかなぁ?一つも影の無い空間って違和感だよなぁ~‥‥‥。

 現実空間とは異なる状態にしているのは、どうしてだろう?

 浦原さんの勉強部屋は太陽が無いだけで‥‥‥。

 影もあったし、違和感は少なかったよなぁ~‥‥。

 よりリアル空間に近い創りだったからかなぁ?

 完現術者の雪緒が作る空間は、露骨にゲーム世界って感じだったから‥‥‥。

 違和感バリバリでも、ゲーム世界だからって、納得出来たよなぁ‥‥‥。

 それを考えると、ここって感覚が微妙だよなぁ‥‥‥。


 一護の表情から、空間の説明しない限り、修行も流し込みも出来ないことを雨竜は理解した。


 やっぱり‥‥説明しないと、先に進めないようだなぁ~‥‥‥。

 一護ってば‥‥ろくな説明なしで、浦原さんや夜一さんと修行していた反動が出ているんだろうなぁ‥‥‥。

 たぶん完現術者達との修行も‥‥‥‥。

 だから、訊きやすいボクに質問をガンガンするんだろう。

 可愛いって言えば、可愛いんだけどぉ~‥‥‥。

 いちいち答えていると、修行する時間が減るんだよね。

 でも、一護の体調を考えれば、修行する時間は減った方がイイか。

 すぐに無理をするからねぇ‥‥‥。

 さて、ボクに質問しやすいように、話しを振ってあげようかな‥‥‥。


 考えの纏まった雨竜は、考え込んでいる一護に声を掛ける。

「一護、修行を始める前に、君が考え込んでいる内容について、質問したまえ‥‥‥ざっと説明してあげるから‥‥」


 と、いうところでタイムアウト。続きは、また明日。

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小ネタシリーズ8 完現術者と滅却師と死神代行48

 小ネタシリーズ8
 完現術者と滅却師と死神代行48
 一護 雨竜


 小首を傾げながら、俺‥色々と考えてグルグルしてますという表情の一護を見て、雨竜は小さく溜め息を吐き出す。


 また色々考えているんだね‥‥‥。

 でも‥今、下手に声を掛けると‥‥だから‥‥‥。

 ここは、さっさと中に入ろう。

 そうすれば、一護は付いて来る。

 中に入ったら、色々と説明してやればイイ。


「一護、中に入るよ」

「あっ‥‥うん」

 一護は開かれた空間に疑問を持ちつつも、素直に雨竜に付いて空間へと足を踏み入れた。


 二人が中に入る鏡は元の姿に戻った。


 そこは、現実空間とは異なる銀色と白色の世界だった。

 見たことも無い空間に、一護は目を見張る。


 んぅ~と‥‥‥色が銀と白の世界?って言ったらイイのかな?

 いや、それよりなんで‥‥‥こんな色合いなんだ?

 それに、この光は何処から?

 蛍光灯や水銀灯やLED照明とは違うし‥‥‥‥。

 陽光と言うには、暖かみに欠ける‥‥‥。

 月光と言うには、冷たさが足りない‥‥‥‥。

 不思議な光だよなぁ~‥‥‥。

 窓の外には‥‥‥月が浮かんでいる‥‥‥。

 これは、時間に合ってるよなぁ‥‥‥。


 初めて踏み込んだ空間に、一護は興味津々で周りを見回した。


 と、いうところでタイムアウト。続きは、また明日。

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小ネタシリーズ8 完現術者と滅却師と死神代行47

 小ネタシリーズ8
 完現術者と滅却師と死神代行47
 一護 雨竜


 一護は、雨竜からの説明に、内心の感想を口にすることなく、世間様?での滅却師の立場というモノに納得する。

「‥‥‥滅却師って‥‥以外に敵が多いのな‥‥」

 そんな一護の内心に気付く余裕の無い雨竜は、チョイッと眼鏡を指先で神経質に直しながら頷く。

「そうだね‥‥だから‥‥用心深いんだよ」

「そっかー‥‥」

 納得したらしい口調の一護に、雨竜はダメ押しをする。

「じゃ、ボクの唱える呪文を邪魔しないでくれ」

「判った‥‥中に入るまで黙ってる」

 一護が頷いたのを確認し、雨竜は大鏡に向かって開封の呪文を唱え始める。

「輝く白き聖衣を纏い‥‥その身に聖なる力を宿し‥‥魔を払い‥邪を払い‥不浄なる者を排除する‥聖なる弓を握りし者のみを‥受け入れ給え」

 雨竜は、呪文を唱え、身に着けていた滅却師十字を、鏡の前に差し出す。

 鏡に映る滅却師十字の虚像は、実物よりもどんどん大きくなる。

 そして、十字の中心部分が開いた。

 その中に銀色に輝く円柱や円錐、立方体や階段状のもの等が見える‥‥‥。

 更に、その奥に窓らしきモノが有り、夜空に浮かぶ月までも‥‥‥。

 かなり不可思議な光景を見て、一護は内心で色々と考えていた。

 が、雨竜とその空間の中に入るまでは、喋らないと約束していたので黙っていた。


 この屋敷は、確かに大きくて広いけど‥‥‥。

 鏡の奥に見える空間を、内包しているとは思えない。

 それに、ここには階段を下りて来たんだから‥‥‥。

 地下部分なのは、確かなのに‥‥‥。

 いったいどうなっているんだ?

 浦原さんのトコロに有った勉強部屋?も変な空間だったけどぉ~‥‥‥。

 ここも似たり寄ったりって感じかな‥‥‥。

 まぁ‥‥雪緒も空間を作っていたから‥‥‥こんなモンなのかな。


 と、いうところでタイムアウト。続きは、また明日。

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小ネタシリーズ8 完現術者と滅却師と死神代行46

 小ネタシリーズ8
 完現術者と滅却師と死神代行46 一護 雨竜


「輝く白き聖衣を纏い‥‥‥」


 えっとぉ~‥輝く白い聖衣って、あの滅却師スタイルの服装のことだよなぁ?

 俺達、滅却師の服装に着替えて無いけど、良いのかぁ?

 それに、俺は死神の能力無くしたけど、死神の子なんですけどぉ~‥‥‥。


 開封の呪文を唱え始めた雨竜に、一護は首を傾げて率直に疑問に思ったことを訊く。

「雨竜‥‥俺もお前も普通の服装だけどぉ~?」

 黙っていた一護が唐突に口を開いてそう訊くと、呪文を唱えていた雨竜が端的に言う。

「扉を開く呪文だから‥‥黙っていてくれ」

 そんな雨竜の気持ちなど考えていない一護は、更に言う。

「俺は、滅却師じゃないけどぉ~‥‥‥」

 一護のこだわり?に気付き、綺麗に忘れられている事実を口にする。

「君は、真咲さんの子供だから‥‥滅却師の血統だよ」

 言われた一護は、あっそっかという表情で頷き、雨竜に訊き返す。

「じゃ‥‥この扉は、俺や遊子や夏梨にも開かれるんだな」

 雨竜は一護の疑問に答えないかぎり、開封の呪文が唱えられないと悟り、急がば回れの気持ちで答える。

「ああ開くよ‥‥‥ただし‥‥呪文を唱える滅却師が、一緒に居たらね」

「‥‥‥滅却師の血統を引かない者は?」

「たとえ、呪文を唱える滅却師が居ても、滅却師の血を持たない者は通さないよ」

「修行の場所なのにか?」

「虚は敵だし‥‥死神も滅却師にとっては、敵みたいなものだよ‥‥‥それに、超能力者を求める人間達も敵みたいな存在だろう‥‥‥だから‥‥」

 雨竜の説明に、一護はなるほどという表情で頷く。


 そっかぁー‥‥そうだよなぁ‥‥‥。

 心正しき聖人?って、なにかと生贄にされやすい生き物だったっけ‥‥‥。

 それに力があれば、なおさら狙われるよなぁ‥‥‥。

 いくら心正しき者でも、根性曲がるよな。

 雨竜もちょっと曲がってたけど‥‥‥。
 もっとネジくれた者もいるかもなぁ‥‥‥。


 と、いうところでタイムアウト。続きは、また明日。

テーマ : 二次創作
ジャンル : サブカル

小ネタシリーズ8 完現術者と滅却師と死神代行45

 小ネタシリーズ8
 完現術者と滅却師と死神代行45 一護 雨竜


 食後の歯磨きを終えた一護に、同じように歯磨きを済ませた雨竜が言う。

「それじゃ、修行用の空間に案内するよ」

「おう‥んで、どっち行くんだ?」

 雨竜は一護の反応に、クスッと微笑う。

「こっちだよ。付いて来たまえ」

「おう」

 一護は、雨竜の案内で修行場となる地下空間?へと続く廊下を案内され、石田邸の長い廊下を歩く。


 うぅ~‥ぜってぇー‥案内なしに歩けねぇーな‥‥‥。

 もしかしなくても、用心の為の設計なのかなぁー‥‥‥。

 同じようなところグルグルしてる気が‥‥‥。


 一護が疑問に思う頃、雨竜が天井から床までの大鏡の前で立ち止まる。

「ここだよ」

 一護は雨竜の言葉に首を傾げて、大鏡と雨竜を見詰める。

「雨竜‥‥‥これって‥でっけー鏡にしか見えないけど?」

 一護のもっともな反応に笑いながら、雨竜は説明する。

「当たり前だ‥‥‥これは隠し扉なんだよ‥‥‥扉に見えたら隠す意味がない」

 雨竜の言葉に、一護は試しに大鏡を縁取る飾り彫刻を指先で辿って、再び首を傾げる。

「あっそっかー‥‥でも‥‥鏡の縁を押しても変化無いんだけど?」

 一護の言葉に、丁寧に説明するより実際を見せた方が早いと考えた雨竜は、簡潔に言う。

「この扉は、滅却師の使う言葉‥‥呪文?に反応するようになっている」

 雨竜の真剣な説明に、一護はのほほんと思う。


 ふぅ~ん‥開けゴマみたいなヤツかな?

 つっても、そんなことを言葉にしたら、怒られそうだから言わないけど‥‥‥。


 黙って首を傾げる一護を可愛いと腐った思考で思いつつ、雨竜は呪文を唱え始めた。


 と、いうところでタイムアウト。続きは、また明日。

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小ネタシリーズ8 完現術者と滅却師と死神代行44

 小ネタシリーズ8
 完現術者と滅却師と死神代行44
 一護 雨竜


 一護は雨竜に確認するように訊く。

「それって‥‥浦原商店の地下に有る、アレみたいなモノか?」

 その言葉に、雨竜は何度か降りたことのある空間を思い出して頷く。

「そうだね‥‥‥アレに近い感じかな‥‥」

 雨竜の反応から、かなり近い空間らしいことを読み取り、一護は本当に楽しそうに言う。

「そっかー‥‥どんな場所か楽しみだな」

 一護ははやる気持ちが抑えられず、残っていたコーヒーをクイッと飲み干す。

 そんな一護の反応を、雨竜は暖かい気持ちで見詰めながら、無自覚に楽しむ。


 本当に、一護は楽しそうだね~‥‥‥。

 修行と訊いて、心から喜ぶ者は少ないのに‥‥‥。

 もっとも、ボクも修行して強くなることは好きだけどね。

 それじゃ、食事も終わったことだし、腹ごなし程度に‥‥‥。

 取り敢えず、滅却師としての基礎知識でも流し込んであげようかな?


 などと考えながら、雨竜も一護と同じように、クイッと残りを飲み干す。

 食後のコーヒーを飲み干したことを確認し、一護と雨竜は当然のこととして、食べ物と作り手達に感謝し、食後の挨拶をする。

「ごちそうさまでした」

「ご馳走様でした」

 そう言った後、一護と雨竜はゆっくりと席から立ち上がり、軽く会釈をして食堂を出て行く。

 そんな二人を、見送る片瀬と高尾は、深々と頭を下げるのだった。


 勿論のこととして、遊子法典に従う一護は、食後は洗面所でしっかりと歯を磨いたのは言うまでもない。

 そういう日常的なモノまできっちりと持ってこられた荷物に入っていたのだ。

 また、そんな一護に、付き合いの良い雨竜は、楽しそうに付き合ったのだった。


 と、いうところでタイムアウト。続きは、また明日。

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小ネタシリーズ8 完現術者と滅却師と死神代行43

 小ネタシリーズ8
 完現術者と滅却師と死神代行43
 一護 雨竜 高尾 片瀬


 二人が食堂に入り、やっと席に着いて座ったので、高尾は食事を運んで来るように指示を出した。

「片瀬、運んできなさい」

「はい」

 片瀬と呼ばれ女性が、運んで来た料理は、二人の前のテーブルに置かれ、温かな湯気を出していた。

 それに手を合わせて、一護は何時もの通りに言う。

「いただきます」

 雨竜は、一護に続いて言う。

「いただきます」

 その言葉の後に、二人の食事は静かに始まった。

 雨竜や一護に給仕する片瀬の表情は、柔らかく雰囲気は嬉しそうだった。


 ゆっくりとした食事の時間が流れる。


 ほどなく食事が終わり、食後のコーヒーを受け取った雨竜が、同じようにコーヒーを受け取って口に運ぶ一護に言う。

「これを飲み終わったら、君がしたがっていた修行用の場所に案内するよ」

 コーヒーを半分ほど飲んだ一護は、やっと修行についての話しが出たので、嬉しそうに頷きながら訊く。

「おう‥‥ところで‥‥その修行用の場所って何処に有るんだぁ?」

 同じように、半分ほど飲んだ雨竜は、嬉しそうな一護に、クスッと笑いながら答える。

「この建物の地下部分と言った方がイイような場所に有るよ」

 ちょっと曖昧な説明に、一護は首を無意識に傾げて、思ったことをそのまま口にする。

「地下部分?‥‥‥って‥微妙な表現だな」

 一護の言葉に、雨竜が肩を竦める。

「仕様がないさ‥‥建築設計図には存在しない空間に有るんだから‥‥」

 ようやく納得できる答えを雨竜からもらった一護は、なるほどという表情で頷く。


 と、いうところでタイムアウト。続きは、また明日。

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小ネタシリーズ8 完現術者と滅却師と死神代行42

 小ネタシリーズ8
 完現術者と滅却師と死神代行42 一護 雨竜 高尾


 一護が不思議そうに首を傾げるのを見ながら、雨竜は内心での葛藤を綺麗に隠して、あっさりと言う。

「さぁね‥‥ボクは知らない‥‥‥でも‥別の場所に生き残っていたなら‥‥死神に戦いを挑む可能性があると思うよ‥‥‥」

「確かに‥‥‥そうなったら‥‥死神が負ける可能性も有るな」

「そうかもね‥‥」

「そうかもって‥‥‥」

「ありもしない可能性に、悩むなんて馬鹿のすることだよ。それに、ボクは、古い滅却師に、味方したいとは思わない‥‥時代が変われば‥‥常識も正義も人も変わるさ‥‥ボク自身、死神の呼びかけに、応えなかった滅却師にも、悪い部分が有ったと思うから」

 現代っ子らしいドライさで、そう言う雨竜に、一護は首を振る。

「それは確かだと思うけど‥‥俺は滅却師を滅ぼす必要は無かったと思う‥‥せっかく才能があるんだし、人を守るという気持ちもあるし、高い戦闘能力もあったんだから、協力すれば良かったと思うから‥‥全面的に死神が正しいとは思わない」

 慈愛という言葉を体現するかのように、敵味方関係無く、自分を頼るモノ全てに愛情を惜しみなく注ぐ一護の言葉に、雨竜は軽く肩を竦める。

「確かにね‥‥‥さて、答えの出ない話しは止めて、食事にしよう」

 話しを切り替える雨竜に異議はないので、あっさりと一護も頷く。

「そうだな」

 そんな二人は、既に辿り着いて久しい食堂のドアをやっと開ける。

 なお、雨竜と一護が話し合っている間、高尾は黙って二人が食堂に入るのを待っていた。

 食堂に入ると雨竜は、一護に座る場所を指定した。

「一護、君は‥ここに‥‥」

 雨竜は、さりげなく、黒崎から一護に呼び掛けを切り替える。

 が、記憶混乱によって、石田から雨竜と呼んでいる一護は気にもせずに頷く。

「うん」

 事故によって引き起こされた記憶混乱によるものか?従来の一護より少し幼く素直になっていたのは本人の与り知らない事実だった。


 と、いうところでタイムアウト。続きは、また明日。

テーマ : 同人活動
ジャンル : サブカル

小ネタシリーズ8 完現術者と滅却師と死神代行41

 小ネタシリーズ8
 完現術者と滅却師と死神代行41 一護 雨竜


 そして、確認するように、つい雨竜に訊いてしまう。

「なぁーそれって、全員なのか?」

「男も女も、子供も老人も‥‥‥たぶん‥‥例外は無いと思うよ」

 サラリと何の感情も含まずに言う雨竜に、一護は首を傾げる。

「滅却師に‥‥転生は‥‥無いのか?」

「たぶん無いね‥‥‥それは‥『虚』を転生の輪に戻さずに滅殺した‥‥滅却師への罰なんだろうさ‥‥‥四十六室の定めたね」

「でも‥‥もしかしたら‥‥別の場所に滅却師が生きている可能性は?」

 一護の言葉に、雨竜はぬるぅ~く笑うだけだった。


 ボクにとっては、はた迷惑な、伝説は有るよ。

 ‥‥滅却師の始祖の王が‥‥封印されたって言うね。

 本当に、そんな存在が封印されているなら‥‥。

 いずれは‥その封印は解ける。

 どんなモノも、封印と付くモノ全て、永遠ではないからね。

 そうなったら、死神との全面戦争になるだろう。

 ボクは死神と戦いたくない‥‥‥。

 だって、君は死神として生きる方を選ぶだろう?

 一護、ボクは君と戦いたくない‥‥。

 それに、朽木さん達ともね。

 君が、苦しんだり悲しんだり苦悩するようなコトは、絶対にしたくない。

 封印された王は、九百年前に力を取り戻し‥‥‥なんて伝承はどうでもイイ。

 古い死神に封印された滅却師達が、死神と戦いたいなら、勝手にやってろ。

 ボクや一護に迷惑をかけるなって言いたいね。

 封印された滅却師は、すべて純血種だろう。

 彼等にとって、ボクも一護も混血だし、一段下の者でしかない。

 下手をしたら、死神と『虚』と滅却師と人間のハイブリットの一護は、彼等に排除される可能性も有るんだから‥‥‥そんなの、ボクは御免だよ。


 と、いうところでタイムアウト。続きは、また明日。

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小ネタシリーズ8 完現術者と滅却師と死神代行40

 小ネタシリーズ8
 完現術者と滅却師と死神代行40 一護 雨竜


 人気の薄い廊下を雨竜と連れ立って歩く一護は、なんとなぁーく閉塞感を感じて、ついつい思考へと逃げてしまう。


 いや、でも、死神に滅ぼされたからなぁ‥‥‥。

 滅却師として生きてきた者は、死神になるのはイヤかもなぁ‥‥‥。

 雨竜の性格を考えると、商人なんて無理だろうし‥‥‥農業をするのか?

 それとも‥何かを作る職人に‥でもなるのか?

 うわー‥‥考えると深みに嵌まってしまいそうだ‥‥‥。

 だったら‥‥ここは、率直に雨竜に聞いてみるか。


「雨竜‥‥ちょっと訊いてイイか?」

「なんだい?」

「滅却師って、死んだら、転生の順番が来るまで、アッチで何やって生きるんだ?」

 一護からの質問に、雨竜は目眩を覚える。

「ふぅー‥‥忘れたのかい?一護」

「えっ?」

 驚く一護に、雨竜はあまり言いたくなさそうにしながらも、情報は大事ということを身に染みているので、正確に教える。

「滅却師は、二度殺されるんだ」

「二度、殺されるって?」

「涅まゆりは、僕に言ったよ‥‥‥滅却師は、全て研究したって」

 その意味に気付いた一護は、ゲッという表情で訊き返す。

「それって、人体実験して殺したってコトか?」

「そうだよ‥‥‥親に子供を殺させたり、その反対をさせたり‥‥‥ボクの師匠も殺したって、写真も見せてくれたよ」

「‥‥‥‥」

「だから、アッチ側に、滅却師は居ないんだ」

 雨竜の断定的な物言いに、一護は何とも言えない表情になる。


 と、いうところでタイムアウト。続きは、また明日。

テーマ : 同人活動
ジャンル : サブカル

小ネタシリーズ8 完現術者と滅却師と死神代行39 

 小ネタシリーズ8
 完現術者と滅却師と死神代行39 一護 雨竜


 いっこうに洗面所に着かないことに焦れた一護は、雨竜に向かって言う。 

「雨竜、取り敢えず、トイレ・洗面所・風呂場の三点だけで良いわ」

「そうかい?」

「ああ、今日必要なのはそれだけだろ」

「そうだね、じゃ案内するよ」 

 そうして、一護はトイレと洗面所と風呂場を雨竜に見せてもらったのだった。


 取り敢えず、トイレの位置と風呂場の位置を確認し終わり、洗面所に着いたので一護は早速蛇口をと思ったら‥‥‥。

 病院と同じ形式で、手を差し出せば水が出るようになっていた‥‥‥。

 手を洗い軽くうがいしてから顔を洗った一護に、雨竜はふかふかのタオルを差し出した。
「サンキュー‥‥」

 一護が丁寧に顔を拭ったのを確認し、雨竜は声を掛ける。

「じゃ‥食堂に行こうか」

「あっ‥‥ああ」

 頷いた一護は、雨竜に連れられて、再び広い邸内を歩き、食堂へと向かうのだった。


 こんな広い家に、雨竜と竜弦さんしか住む人間が居ないのは‥‥かなり寂しいな。

 人の気配が有っても、ソレは二人に仕えている混血の滅却師達なんだよなぁ‥‥‥。

 お袋が逝っちまったから‥‥‥純血種の滅却師って‥‥竜弦さんだけ‥‥かぁ‥。

 確かに、そういう意味じゃ最後の滅却師だよなぁ‥‥‥。

 あれ?‥‥滅却師だって人間だよなぁ‥‥‥。

 ってことは‥‥死んだら‥アッチに逝くはず‥‥‥。

 最初っから霊子を操れる滅却師なら‥‥‥死神になってもイイんじゃ‥‥‥。

 だって‥‥流魂街って、下手したら生きる為に盗みとかウリをするって‥‥‥。

 滅却師はそういうコトを嫌うから‥‥‥。

 きっと、死神になるのが一番楽な生き方だよな。


 そんな、安易なコトをつらつらと考えながら、一護は軽く溜め息を吐いていた。


 と、いうところでタイムアウト。続きは、また明日。

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ジャンル : サブカル

小ネタシリーズ8 完現術者と滅却師と死神代行38

 小ネタシリーズ8
 完現術者と滅却師と死神代行38 一護 雨竜 高尾


 雨竜が玄関の扉を開けようとした、ちょうどその時、内側から扉が開いた。

 扉を固定して、初老の執事が深々と頭を下げる。

「お帰りなさいませ」

「ただいま‥‥高尾‥‥一護‥‥真咲さんの息子だ」

「左様でございますが‥‥‥一護様‥石田家の執事‥‥高尾にございます」

「黒崎一護です」

「挨拶はそのくらいでイイだろう‥‥食事にしてくれ」

「はい」

「一護‥洗面所は、こっちだ」

「あっ‥‥うん」

 高尾は黙って手を洗う為に洗面所に向かう二人の後ろ姿を見送った。

 それからおもむろに、高尾は扉にしっかりと鍵を掛け、部外者の侵入を阻む為に、結界を張るのだった。

 常に警戒心を絶やさないのが、生き残った滅却師のサガとなっていた。


 その頃、一護は、雨竜に家の中の配置を案内される道すがら、母・真咲の生い立ちを軽く説明されていた。


 そっかー‥お袋って純血種の滅却師だったんだぁー‥‥‥。

 その上、雨竜の親父さんと婚約していたのかぁー‥‥‥。

 うぅ~ん複雑怪奇‥‥‥どっかの昼メロんなりそう‥‥‥。

 じゃなくて、やっぱ、広いなぁ~‥‥‥。

 これより、広い本邸って何?

 白哉の屋敷とかわんねぇ~‥‥‥。

 取り敢えず、此処で俺に必要なのは、トイレ・洗面所・風呂場の三点だけだから、そこだけは確実に教えておいて貰おう。


 一護の気持ちをよそに、雨竜は取り敢えず不自由がないようにと、家の中の配置を教えるのだった。


 と、いうところでタイムアウト。続きは、また明日。

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小ネタシリーズ8 完現術者と滅却師と死神代行37

 小ネタシリーズ8
 完現術者と滅却師と死神代行37 一護 雨竜


 雨竜の言葉に、初めて家族構成を匂わせる発言を訊いた一護は、思わず振り返って訊く。

「えっ‥‥二人だけなのか?」

 驚く一護に、何をそんなに驚いているのだろうと思いながら、雨竜は端的に事実だけを口にする。

「祖父は、虚に殺された。祖母は、その後、生きる気力を失って死んだ。母は、九年前に病気で死んだ。石田の人間は、僕と竜弦しか居ない」

「マジ?」

「ああ‥‥そうだ‥‥ほとんど空の入れ物が有るだけって状態だよ‥‥‥でも、君の家も同じようなモノだろう。真咲さんの家族や親族は存在しないから」


 あっ‥やっぱりそうなんだ‥‥‥。

 お袋の親族とかいうやつなんて見たことねぇーから‥‥‥。

 もしかしなくても、居ないのかなぁ?とは思ってたけど‥‥‥。

 お袋が滅却師だっつぅーんなら、雨竜の情報は正しいだろう。

 そっかー‥‥‥やっぱ、親戚の人ってやつは居ないんだ。

 いや、薄々は判ってたけどさぁ‥‥‥。


 内心を口にする雰囲気じゃなかったので、一護はサラリとその話題を流して頷く。

「そういやそうだ‥‥‥滅却師って、本当に滅ぼされた一族って感じだな」

 率直な一護の感想に、雨竜は苦笑する。

「ボクが、死神を嫌うのは仕様が無いのさ」

「確かに‥‥‥でも‥‥親父も俺も死神だけどぉ~‥‥‥」

「君は、ボクと同じ最後の滅却師の混血児さ‥‥‥それに、ボクは死神が嫌いだけど、朽木さんや阿散井君や山田君、それに浦原さんとはきちんと付き合っている」

「そうだな‥‥人間にも死神にも、良いヤツと悪いヤツが居るだけだよな」

「こんなところで、立ち話しをするくらいなら、家に入るほうが良いよ」

「ごめん」

「いや、気にしていない」

 そうやって、力技に近い状態で、思考の海に嵌まった一護を雨竜は引きずり出した。


 と、いうところでタイムアウト。続きは、また明日。

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小ネタシリーズ8 完現術者と滅却師と死神代行36

 小ネタシリーズ8
 完現術者と滅却師と死神代行36 一護 雨竜


 雨竜と一緒に、病院の裏手にある石田邸に着いた一護は、ちょっと呆れていた。


 はぁ~‥マジで、雨竜ん家って金持ちなんだなぁ~‥‥‥。

 白哉といい‥‥俺の周りには金持ちが多いなぁ‥‥‥ウチは、貧乏なのに。

 やっぱ、総合病院経営してるだけあるぜ。

 ここ見る限り、雨竜ん家だったら、こんな家が、もう一軒は確実にありそうな感じだもんなぁ‥‥‥。

 本当に有ったらイヤだから‥‥‥敢えて訊かないけどさ‥‥‥。

 もともと資産家なのに、竜弦さんって行列の出来るお医者様だもんなぁ~‥‥‥。

 特殊な手術って、下手すっと保険外治療になるもんなぁ~‥‥‥。

 その場合は、全て保険が、適用されないから、べらぼうな金額になるから‥‥‥。

 確か金持ちの入院患者の為に、特別病棟もあるって噂だし‥‥‥。

 雨竜と歩いていて、その噂が本当だって判ったしなぁ~‥‥‥。

 何時だったか聞いた‥‥‥滅却師は儲からないって‥‥‥本当なのかも‥‥‥。

 滅却師をするよりは、ちょっと妖しげな霊能力者でもやったほうが‥‥‥。

 竜弦さんや雨竜‥‥混血の滅却師のお姉さんやお兄さん達の容姿を考えると‥‥‥。

 その方が、確実に儲かりそう‥‥‥。

 いや、いっそ教祖様をやったら‥‥‥。


 妄想?たくましく、そんな感想を覚えた一護は、黙って雨竜の自宅をシゲシゲと見詰める。

「‥‥‥」

 自宅を見て、なんの感想も言わずに、妙に黙っている一護に、雨竜は首を傾げる。

「どうしたんだい?」

「ん‥‥いや‥‥結構‥‥大きいなって思っただけ」

 本心からの言葉だと気付かない雨竜は、一護の感想にサラリと答える。

「そう‥でも、これは、小さいよ。本邸の方がかなり大きいからね‥‥‥ボクと竜弦しか居ないのにね」


 と、いうところでタイムアウト。続きは、また明日。

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小ネタシリーズ8 完現術者と滅却師と死神代行35

 小ネタシリーズ8
 完現術者と滅却師と死神代行35 一護 雨竜


 着替えが用意し終わるのを見計らって、雨竜は自分の手製の布袋を一護に手渡す。

「これに入れると良いよ」

「サンキュー‥‥これって、作ったのお前か?」

「おやっ‥判ったのかい」

「勿論、このライン柄って、コンに使っていたモノと一緒だから」

 雨竜の手製布袋に、一護はそれ以上の突っ込みを入れずに、着替え一式を入れた。

 一護の作業?が終わったのを見計らって雨竜は声を掛ける。

「じゃー‥‥食事に行こう」

「うん」

 病室を出て部屋に鍵を掛けた雨竜は、用心の為にと、滅却師としての結界も張るのだった。

 そういう意味での能力が無い一護は、今後の為にと、黙って雨竜のやることを観察していた。

「じゃ‥行こうか」

「ああ」

 そうして、二人は、石田邸に向かったのだった。


 連れ立って歩く二人を、看護婦【混血の滅却師を含む】達は、腐女子が多いので、何処かにんまりとした表情で見送った。

 いずれ、腐った思考の持ち主である彼女達の突拍子も無い噂話(雨竜と一護が恋愛関係にある)が、病院内を駆け巡るのは確かなコトだったりする。

 その噂を聞いて、溜め息を吐き出しちょっと苦悩するのは一護だけ‥‥‥。

 雨竜は、自分の感情を認めているので、ちょっと苦笑するだけだろう。

 なお、空座総合病院は、看護婦が結構な人数勤務しているので、病院内の噂と彼女達の妄想のすべてを、かなり妖しい本が受け皿となっている為に、外部(世間)に流れることは無かったのだった。

 閑話休題。


 と、いうところでタイムアウト。続きは、また明日。

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小ネタシリーズ8 完現術者と滅却師と死神代行34

 小ネタシリーズ8
 完現術者と滅却師と死神代行34 一護 雨竜


 あっ‥‥もしかして、不味い展開?

 ここは、ちょっと同じ話題で別の人にズラそう。


「じゃ‥‥おじさんが?」

 一護のさりげない?気遣いに、雨竜はクスッと内心で笑って答える。

「竜弦は、料理なんかしない‥‥‥たぶん、作れないじゃないかな

「んじゃ‥誰が?」

「高尾か‥‥じゃなかったら‥‥誰かが‥作る」


 高尾って誰?‥‥‥もしかして、使用人とかってやつ?

 やっぱ、金持ちなんだなぁ~‥雨竜ん家って‥‥‥。

 ウチなんて、同じ医者だってぇーのに、カツカツだっつーの‥‥‥。

 そりゃー巨大総合病院と街医者じゃ差があるの当たり前だけどさぁ‥‥‥。


「そっか‥‥お前ん家って‥‥金持ちだったっけ‥‥」

 一護の言葉を聞き流し、雨竜は端的に事実だけを言う。

「連絡は、入れてあるから‥‥何か用意されているさ」

「何時、連絡したんだ?」

「君が、荷物の整理をしている時に‥‥‥」

「だったら、まだ出来ていないんじゃないか?」

「ここで、グダグタ言っているより、行く方がイイ」

「まっ‥‥そうだな」

 やっと納得した一護に、雨竜はさりげなく助言する。

「と言うコトで、着替えを何枚か持って行くとイイよ」

「へっ?」

「修行した後で、シャワーを浴びるだろうから」

「ああーそうだな‥‥‥」

 雨竜の提案で、一護は、タオルと着替えを用意するのだった。


 と、いうところでタイムアウト。続きは、また明日。

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小ネタシリーズ8 完現術者と滅却師と死神代行33

 小ネタシリーズ8
 完現術者と滅却師と死神代行33 一護 雨竜


 一護は、嘆息する雨竜に再度呼び掛ける。

「なぁー‥すぐに始めるのか?何処で訓練ってするんだぁ?」

 矢継ぎ早の一護の質問に、雨竜は思わず眼鏡の位置を指先で直しながら言う。

「はぁ~‥‥‥君は‥‥‥自分が‥事故った自覚があるのかい?」

 雨竜の言葉に、一護は悪びれもせずにケロッと言う。

「あぁ~‥ソレ記憶に無いから‥‥‥自覚出来ないって感じかな」

 一護の言葉に、雨竜はもう一つ溜め息を吐いて言う。

「そう‥‥‥取り敢えず‥‥修行するにも‥身体が資本だから、食事はきちん取るべきだよ‥‥‥と言うことで‥‥食事に行こう」

 雨竜の言葉で、一護は自分が空腹を感じていることを自覚する。


 そういや、なんか腹減ってる‥‥‥俺、何時メシ食ったんだぁ?

 記憶があやふやだからなぁ‥‥事故の前に食べて無かったのかな?

 じゃなくて、食事って言うんだから、どっか食べに行くつもりか?

 材料があるんなら、すぐに俺が作るけど‥‥‥。

 訊いてみっか?

 

「メシって、何処かの店で‥‥外食か?‥‥‥俺‥あんまり‥‥」

 言葉を濁す一護に、雨竜も頷く。

「君と同じように‥‥僕も、外食は、あまり好きじゃない」

「だったら‥‥」
「この部屋に、調理する設備は無いんだ」

「あっ‥‥そうか」

「病院の裏手に、僕の自宅があるから、そこで食事を取る予定なんだよ」

「お前のお袋さんが、作ってくれるのか?」

「僕の母親も‥‥真咲さんと同じ頃に死んだよ」

 その答えに、なんとなく、雨竜の中の禁忌に触れたような気がして、一護はちょっと考える。


 と、いうところでタイムアウト。続きは、また明日。

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小ネタシリーズ8 完現術者と滅却師と死神代行32

 小ネタシリーズ8
 完現術者と滅却師と死神代行32 一護


 まだまだ、一護の行動にあわせるということがおぼつかない雨竜は、黙ってその行動を見守る。

 ある意味で、竜弦と変わらないぐらい、不器用な雨竜であった。

 好きな人を上手にかまえない、似た者親子だった。

 一方、真咲が逝った後、一護は妹達の面倒を見ながら主婦もどきをしていたので、片付けや整理整頓はお手のモノだった。

 一護は教科書その他を本棚に取り出し易いように入れ、制服を洋服ダンスに仕舞って、引き出しに着替えを入れ終えた。

 気が急いている一護は、双子の妹達が持って来た荷物のすべてを手早く仕舞い終え、雨竜を振り返る。


 ヨシ、これで終わり‥‥っと、すぐに修行に入るのかな?

 雨竜が持つ、滅却師としての能力の知識や力の使い方を、脳に直接情報の流し込みってカタチで横着ができても‥‥‥。

 本当の意味で、滅却師の能力を使うにはどうしたって、実践形式で実際に使って訓練しねぇーといざって時に素早く反応できねぇーよなぁー‥‥‥。

 時間的余裕があるような口ぶりだけど‥‥‥。

 俺としては、さっさと情報を貰って、直ぐに実践訓練に入りたいなぁ‥‥‥。


 自分の様子を黙って見ていた雨竜に、一護は声を掛ける。 

「一応、持って来て貰ったモノは仕舞ったから、すぐに修行するか?」

 クルッと振り返って言ったセリフに、雨竜は嘆息する。


 あははは‥‥言うと思ったよ‥‥‥けど、やっぱり開口一番はそのセリフだったか。

 いや、黒崎の性格は理解してるけどねぇ‥‥‥はぁ~‥‥‥。

 たぶんに、ボクが遊子ちゃんや夏梨ちゃんが、写真を求めて敵に連絡するだろうって言ったからだろうね。

 急がば回れって言葉は、黒崎の思考に無いんだろうねぇ~‥‥‥。

 これは、ちょっと注意した方が良いかな?


 
と、いうところでタイムアウト。続きは、また明日。

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小ネタシリーズ8 完現術者と滅却師と死神代行31

 小ネタシリーズ8
 完現術者と滅却師と死神代行31 一護 雨竜 執事


 まるで、リードを握った飼い主を前に、ステイ状態で、思いっきりシッポをブンブンと振っている大型犬‥‥‥。

 いや、一護なら活動型だから、フリスビーを握っている飼い主に、飛びついて、嬉しいのぉ~‥って、あっふあっふしている大型犬かな。

 いや、別にボクに飛びついて来ているわけじゃないけど‥‥‥イメージは、それだね。

 どちらにしても‥‥愛らしいことに変わりは無いな。

 僕を、とぉっ~ても信頼しているの‥‥という愛らしいつぶらな瞳で見詰める君に‥‥‥ほんと、クラクラするよ。

 君の大好きな修行をさっさと始める為に、しなきゃいけないことをしようか。


 雨竜は内心で一護の愛らしさにマイっていたが、そんなことを表に出すような浅い男ではないので、シャーシャーと指示を出す。

「じゃ、教科書の類は、こことか‥‥‥ここに‥‥入れるとイイよ」

「サンキュー」

「制服は、ハンガーのあるこっちに‥‥着替えの類は、ここに」

「ぅん‥‥‥この辺の引き出しもイイんだな」

「構わないよ」

 一護が荷物を指定した場所に置き始めると、雨竜は石田家に仕える執事に電話を掛ける。

「僕だ‥‥これから、一護を連れて行くから、軽い食事の用意を‥‥」

「はい」

「それと、地下で一護と二人で修行すると、竜弦に伝えてくれ」

「はい」

 端的に指示を出すと雨竜は電話を切った。

 その後、雨竜は一護がモノを仕舞っているのを、手伝いもせずに見ているだけだった。

 雨竜は、一護が自分の好みで、後で使い易いように仕舞うのだから、下手に手を出すと小さな親切大きなお世話になると思っているらしい。

 色々考え過ぎかもという状態で黙っている雨竜の目の前で、一護はテキパキと動いているのだった。


 と、いうところでタイムアウト。続きは、また明日。

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小ネタシリーズ8 完現術者と滅却師と死神代行30

 小ネタシリーズ8
 完現術者と滅却師と死神代行30 一護 雨竜


 ただ言われた事実のみに頷く一護に、雨竜はちょっと苦笑いを浮かべながら言う。

「だから、妹さん達には、観察用にあるモノを付けたから‥‥電話なりメールなりすれば、その電話番号とかメールアドレスが判るよ」

 雨竜の問題発言に、一護はゲッという表情で言う。

「うわっ‥マジで‥‥それって、盗聴とか盗撮だろ?‥‥遊子や夏梨が不憫だけどぉ」

 一護の言葉に、更に苦笑いを深くして、雨竜はクスクスと笑いながら説明する。

「君から聞いた、銀城空吾と月島秀?の名前に反応して、起動反応するようにしてあるから‥‥二人のプライバシーにかかわることは無いよ。僕は無駄が嫌いだよ。他人の私生活にも興味無いからね。必要なのは、敵の情報だけだから、ソレだけを抽出して、こっちに送って来るようにセットしてあるよ」

 雨竜の説明に、一護は頭を掻きながら、ホッとした表情で言う。

「そっかー‥‥‥涅の監視装置もどきの話し、お前に聞いていたからさ‥‥ごめん」

 過去のいやぁ~んな記憶に、雨竜も乾いた笑いで答える。

「はははは‥‥‥あれねぇー‥‥アレとはまったく違うから、大丈夫‥‥というコトで、軽く食事して‥‥修行に入ろうか」


 まったく‥変なところで記憶力がイイのも考えものだね‥‥‥。

 何を思い出してるんだか‥‥‥僕はあんなマッドな科学者じゃないよ。

 そこまでのモノは造れないよ‥‥‥作る気もないし‥‥‥。

 ただ、竜弦なら作れるかもしれないけど‥あの男に、そういう趣味も興味もないからね。

 そういう意味じゃ、僕と竜弦は似た者同士だということは自覚してるよ。

 じゃなくて‥‥‥ほんと、能力を高める為の修行って言葉に反応するとき、君は嬉しそうな顔をするねぇー‥‥‥。


 雨竜の心情を気にすることもない一護は、ただ単に、新しい能力を手にする期待感に、ただただ楽しそうに応じる。

「おう」

 嬉しそうな一護を見て、雨竜は思わず口元を覆った。


 と、いうところでタイムアウト。続きは、また明日。

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小ネタシリーズ8 完現術者と滅却師と死神代行29

 小ネタシリーズ8
 完現術者と滅却師と死神代行29 一護 雨竜


 二人が病室から出る後姿を見送ってから、雨竜は自分達の病室周辺に、自分達を伺う者が居ないかを霊圧で確認してから、一護に尋ねる。

「黒崎、妹さん達の言う‥‥‥秀ちゃんが‥記憶を操る敵だね?」

 確信を持って、自分にそう確認して来る雨竜に、一護は頷く。

「うん‥‥間違い無いと思う。俺の新たな能力を発現させた、銀城空吾じゃ無いから‥‥‥月島秀?かぁ‥‥‥名字は覚えてるけど、名前が出てこねぇー‥‥‥けど、二人が組んでると考えれば、つじつま合うし‥‥‥」

 一護の言葉に、雨竜はちょっとピキッとする。


 ふぅ~ん‥‥‥君と、修行してたぁ~‥‥‥なんかムカツク‥‥‥。

 どうして君は、そう簡単に赤の他人を信じるかな‥‥‥。

 あぁ‥‥これって‥もしかしなくても‥嫉妬って感情?

 じゃなくて、確認しておかないとね。


 内心の憤りを隠し、雨竜はサラリッと言う。

「ふぅ~ん‥‥それじゃ、君の妹さん達は、彼等の有りもしない写真を探して、苦悩するんじゃないかな」

 雨竜の言葉に、一護は不思議そうに首を傾げる。

「どうして?」

 一護の本当にわかっていない様子に、クスッと人の悪い笑みを浮かべて言う。

「アルバムに、彼等の写真があるとは思えないからさ」

 言われた意味を理解した一護は、納得という表情になる。

「あっ‥‥そっか」

 そんな一護に、雨竜は双眸を細めて言う。

「そうなると、妹さん達は、記憶喪失になった君に見せる為の写真を求めて、彼等に連絡する必要がある」

 淡々とそう言う雨竜に、一護は頷く。

「まっそうだよな」


 と、いうところでタイムアウト。続きは、また明日。

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小ネタシリーズ8 完現術者と滅却師と死神代行28

 小ネタシリーズ8
 完現術者と滅却師と死神代行28
 一護 雨竜 遊子 夏梨 二人


 三人の表情に、雨竜がクスッと笑って言う。

「そんなに心配しなくても、大丈夫だよ‥‥僕の父から、連絡入れさせるから‥‥君達は気にしなくてイイよ」

 雨竜からの好意の籠もった言葉に、遊子と夏梨がホッとしたような表情で言う。

『ありがとうございます』

「わりーな、手間かけて‥‥‥親父って何時もフラフラしてっから‥‥‥」

 一護の言葉に、一心が死神であることを知っている雨竜は首を振る。

「気にしなくてイイ‥‥僕がやりたくてやってるんだから‥‥‥それより、遅れを取り戻さないとね」

「ああ」

 二人の遣り取りを何気なく訊いていた遊子は、ここが帰り時と判断して言う。

「それじゃ‥‥お兄ちゃん、ウチの病院も心配だから‥‥私達は帰るね」

「親父が居なくても、近所のジジババは薬とか貰いに来るからさ」

 夏梨の言葉に、一護も苦笑いを浮かべで頷く

「ああ、そうだな‥‥遊子、夏梨、サンキューな‥‥気を付けて帰れよ」

 一護の言葉に頷いた遊子は、いずまいを直して、雨竜に向かって言う。

「お兄ちゃんをお願いします」

「任せて」

 雨竜がそう答える隣りで、夏梨が心配そうに言う。

「一兄ぃ‥事故ってから‥そんなに経って無いんだから‥‥無理しないでね」

 見掛けより神経質な夏梨に、一護は微苦笑を浮かべて頷く。

「判ってるって‥‥‥」

 記憶喪失が見付かったというわりに、あまり何時もとかわらない一護にホッとしながら、遊子は雨竜に挨拶する。

「じゃぁね、お兄ちゃん‥‥石田さん、失礼しました」

 そんな背伸びした大人の対応を心掛ける遊子を、微笑ましいと思いながら、雨竜も優しい口調で言う。

「気を付けてね」

 遊子と夏梨は、雨竜に頭を下げてから部屋から出て行った。


 と、いうところでタイムアウト。続きは、また明日。

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小ネタシリーズ8 完現術者と滅却師と死神代行27

 小ネタシリーズ8
 完現術者と滅却師と死神代行27
 一護 雨竜 遊子 夏梨 二人


「あっ‥‥そうだよね‥‥写真があれば、覚えてなくても、誰かはわかるようになるもんね‥‥アルバムの写真に、名前を書いたタックを貼って持ってくるね」

 素直な遊子の反応に、一護は肩を竦めつつ言う。

「悪りぃーけど頼むわ」

 そんな一護の様子を見ていた夏梨は、首を傾げて訊く。

「お見舞いは、どうする?」

 その質問には、雨竜がサラリと答える。

「一護が混乱すると勉強に響くから、断っておいてくれるかな」

 もっともなので、二人は良い子のお返事をハモッてする。

『はぁ~い』

 良い子の返事をした遊子は、手に持ったままだった紙袋を差し出す。

「じゃお兄ちゃん着替えね」

 遊子から着替えが入った紙袋を受け取ると、夏梨がディーバックを差し出す。

「こっちは、教科書とノートと辞典etc.だよ」

 それも受け取り、重量のある方を持って来た夏梨に向かって、一護はねぎらいの言葉を口にする。

「ありがとな‥‥重かっただろう」

「ううん‥‥‥受験生が入院だったら必要なモノは‥‥‥って、グーグルで調べただけだからさ‥‥‥ねっ」

 一護からのねぎらいに、夏梨ははにかんで遊子に振る。

「うん」

 頷いた遊子は、取り敢えずのご報告をする。

「あのね‥‥今回支払ったのは‥検査の分だけなの‥‥‥」

 困ったような表情で言う遊子に、一護はきっぱりと言う。

「入院費用は、退院したら親父に支払いさせるから大丈夫だ」

 その言葉に、夏梨が肩を竦めて、病院に来るまでにしたことを言う。

「えーとぉ‥‥ケータイに連絡しても駄目だったから‥‥メールしたんだけどぉ‥‥‥‥未だに音信不通って感じなんだよ」

 そんな遊子と夏梨の様子に、一護も困ったような表情になる。


 と、いうところでタイムアウト。続きは、また明日。

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小ネタシリーズ8 完現術者と滅却師と死神代行26

 小ネタシリーズ8
 完現術者と滅却師と死神代行26
 一護 雨竜 遊子 夏梨 二人


 誰の名前か判らず困惑する一護に、えっとぉー‥という表情の夏梨に、遊子が現状を正しく口にする。

「そんな風に名前を言っても、駄目だよ‥夏梨ちゃん‥お兄ちゃんは、記憶喪失なんだから‥‥秀ちゃんが判らなくても仕様が無いんだから‥‥‥」

 遊子の言葉に、一護の記憶喪失をやっと認識できた夏梨が肩を竦めて頷く

「そっか‥‥記憶喪失なら仕様が無いよね」

 そんな二人の妹達の遣り取りを見ながら、一護なりに記憶の中に思い当たる人物がいないかを探す。


 う~ん‥‥‥秀ちゃんねぇ‥‥‥フルネームで訊いたら、もう少しこの混乱した記憶を刺激してくれるんだろうけど‥‥‥誰だかわからねぇ~‥‥‥。

 遊子や夏梨の様子からして、たぶん親族だろう‥‥‥。

 お袋の親族なのか?‥‥‥親父の親族なのか‥‥‥。

 って、お袋って雨竜に言わせると滅却師の筈だから、親父の親族か‥‥‥。

 いや、親父は死神だから‥‥‥あっ‥‥‥。

 もしかして、あいつ等のどっちかの名前かも‥‥‥。

 確か、片方は記憶を操るみたいだったから‥‥‥。

 ダメじゃん俺‥‥‥敵の名前も忘れてる‥‥‥。

 確か、片方は記憶を操るみたいだったから‥‥‥。

 けど、遊子と夏梨がそう思ってるなら好都合かな?

 このまま判らないフリしちゃえ‥‥どうせ、本当に判らないんだし‥‥‥。


 一護は内心を綺麗に隠して、困ったような表情で言う。

「その秀ちゃんって人に、ゴメンって伝えておいてくれ」

『うん』

 頷く二人に、雨竜がいかにもな理由を付けて言う。

「それも大事だと思うけど‥‥できれば、一護の為に、その秀さんって人の写真を持って来て欲しいな‥‥‥それと覚えているべき、親族とか付き合いのある人間のモノもね」

 そんな雨竜の言葉を疑うことなく、遊子と夏梨は頷くのだった。


 と、いうところでタイムアウト。続きは、また明日。

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小ネタシリーズ8 完現術者と滅却師と死神代行25

 小ネタシリーズ8
 完現術者と滅却師と死神代行25
 一護 雨竜 遊子 夏梨


「青田刈りって言うんだぞ‥‥」

 一護の言葉に、夏梨の横で遊子が首を傾げる。

「青田刈りって?」

 遊子の疑問に、雨竜がにっこりしながら答える。

「将来有望な人間を、本来ならスカウト出来ない時期に‥一般的な使われ方としては‥‥‥強引?に交渉して、自分の会社や事務所や所属チームに入れることを指すんだよ」

 雨竜の説明に、夏梨がシニカルに頷く。

「へぇー‥‥それって、本当に一兄ぃじゃん」

 そんな夏梨に、一護は肩を竦めて言う。

「まっそういうコトだ‥‥だから、当分はウチに帰らないけど‥‥心配すんなよ」

 一護の言葉に、もっともダダをこねそうな遊子がアッサリと頷く。

「うん‥そういう理由だったらねぇ‥夏梨ちゃん」

 お兄ちゃん大好きっ子なので、絶対にゴネると思っていた遊子の反応にちょっとホッとしながら、夏梨もアッサリと頷く。

「アタシらから、親父に言っておくよ」

 何時になく聞き分けの良い妹達に、一護はラッキーと思いながら応える。

「サンキュー」

 そんな一護に、夏梨が唐突に言う。

「あっ‥そうだ‥秀ちゃんが‥たまには、一兄ぃに会いたいって言ってたよ」

 訊き慣れない名前に、一護は眉を顰める。


 えっ‥秀ちゃん?‥‥‥って、誰だ?‥‥‥もしかして、親戚の人‥とか?

 やっべぇー‥‥記憶混乱のセイで‥マジ誰かわからねぇー‥‥‥。 


「秀ちゃんって?」

 困惑顔で訊き返す一護に、夏梨がキョトンとしながらもう一度言う。

「えっ?一兄ぃ?秀ちゃんだよ」

 そんな夏梨に、現状をきちんと理解している遊子は一つ溜め息を吐き、首を振る。


 と、いうところでタイムアウト。続きは、また明日。

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小ネタシリーズ8 完現術者と滅却師と死神代行24

 小ネタシリーズ8
 完現術者と滅却師と死神代行24
 一護 雨竜 遊子 夏梨


 一護は、ちょっと肩を竦めて、二人に向かって言う。

「本当だぞ‥‥‥俺の後のお前等は双子だから、一気に二人分を用意する必要があるんだ。だから、俺は出来るだけ金のかからない大学に行きたいんだ

「国立だと、奨学金も取りやすいからねぇ」

 雨竜のセリフに、現実を直視させられる発言に、夏梨がげんなりした表情で言う。

「うえー‥リアルで、なんか嫌だなぁ」

 当然、遊子も似たような表情で頷く。

「うん、アタシ達が、高校入学の時‥‥お兄ちゃんストレートでも‥まだ医大生だもんねぇ~‥‥お父さんに、そんなに甲斐性があるとは思えないよね‥‥‥」

「確かに‥‥国立‥目指す必要があるんだぁ‥‥」

 妹二人の会話に苦笑いを浮かべながら、一護は雨竜と暮らす公然の理由を口にする。

「だから、当分は雨竜んとこから学校にも通う予定なんだ」

 たった今、現実直視をさせられた夏梨は、眉を顰めて訊く。

「でも、滞在費用は?」

 遊子は、夏梨の発言につい突っ込みを入れる。

「その言い方って‥‥‥なんか‥あれな感じがするけどぉ‥‥」

 が、そんなことを気にするような性格ではない雨竜は、サラリと答える。

「それは、必要無いよ‥‥ボクは友達が一護しかいないから‥‥一緒に医者に成りたいんだ‥‥それに、ウチの病院に勤めてもらう約束だから」

 雨竜の発言に、一護は内心で突っ込む。


 おいおい‥雨竜ぅ~‥‥一緒に戦ったチャドや井上は、友達じゃないのかぁ?

 二人が友達じゃなかったら、水色や啓吾は、お前の中でどういう分類になるんだ?

 もしかして、単なるクラスメート?とか‥‥‥。

 つっても、突っ込める雰囲気じゃねぇーから訊かねーけど‥‥‥。


 一護の困惑?をよそに、夏梨が再び突っ込む。

「それって‥‥なんとか刈りってヤツ」

 そんな夏梨に、一護は嘆息して言う。


 と、いうところでタイムアウト。続きは、また明日。

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小ネタシリーズ8 完現術者と滅却師と死神代行23

 小ネタシリーズ8
 完現術者と滅却師と死神代行23
 一護 雨竜 遊子 夏梨 二人


 一護の言葉に頷く遊子の隣りから、夏梨がシニカルに言い放つ。

「まっ‥いいんじゃないの‥アタシ達や親父のことがちゃんと判ってるんだったらさ」

「でもね‥‥夏梨ちゃん‥お兄ちゃんは、受験生なんだよ‥‥‥‥」

「えっとぉー」

「お兄ちゃんってば‥‥お父さんより馬鹿じゃないから‥‥東大出の医者に成るって言ってたじゃないの」

「うん、確か医者で、キャリアの警察官僚になるって‥‥‥」

「大丈夫だよ‥‥ボクが責任もって、ビシバシ教えるから」

「良かったね一兄ぃ‥優秀な友達がいてさ」

「あっああ‥‥‥そうだな」

「じゃ‥‥入院している間‥勉強を教えてもらうんだぁ‥‥」

「それだけで足りると良いよね」

「そんなんじゃ‥‥無理だよ‥‥足りねぇーよ‥だから、勉強が追いつくまで雨竜んとこに泊まってやるしかねぇーんだ」

「お兄ちゃん‥‥そこまで‥‥追い詰められているの?」

「私立の医大じやなく‥‥金のあんまかかんねぇー医大っていったら、あそこしかねぇーんだ‥‥赤門の方ならウチから通えるしな」

「まっ通いの方が確実だからね。自活は結構お金かかるし、色々な誘惑も多いからね」

「ああ‥‥授業料の他に、家を出て、自活するとなるとかなり金がかかるから、通いで頑張る予定だ」

「でも、一兄は長男なんだし、いっくら親父でも学費ぐらいは出すと思うけど‥‥‥」

「お母さんの残した学資保険だってあるんだし‥‥‥お父さんと違って‥三人の学資保険掛けていたよ‥‥アタシ金庫の中にあったの知ってるから」

「あのね‥‥遊子ちゃん‥医者になるには、私立だと全部ストレートでも、数千万円って言われているんだよ」

『えっえー』

「ついでに言うと子供一人育てるのに、約二千万円だったかな?そう言われてるんだよ」

『うっそぉー』

 声をハモらせて叫ぶ双子の妹達に、雨竜と一護はぬるぅーく笑っていた。


 と、いうところでタイムアウト。続きは、また明日。

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小ネタシリーズ8 完現術者と滅却師と死神代行22

 小ネタシリーズ8
 完現術者と滅却師と死神代行22
 一護 雨竜 遊子 夏梨 二人


 羞恥心から、そっぽを向いてしまった一護に、遊子と夏梨は顔を見合わせて舌をペロッと出す。

 夏梨が困ったような声で、一護に呼び掛ける。

「一兄ぃ‥‥‥」

 しかし、一護は恥ずかしさから、その夏梨の呼び掛けに振り返らない。

 そんな一護と夏梨をよそに、遊子は雨竜に問い掛ける。

「石田さん、お兄ちゃんの検査結果って、どういう具合だったんですかぁ?問題なし?」

 一護の照れを見てクスクスと笑っていた雨竜は、遊子からの質問にあっさりと答える。

「そうだね‥‥‥一応、検査では重大な怪我は見当たらなかったんだけど‥‥‥」

 ちょっと言葉を濁す雨竜に、一護の反応を気にしていた夏梨が雨竜の方に向き直る。

 そこには、同じように心配そうな表情になった遊子が、身を乗り出すようにして、更に問い掛けていた。

「お兄ちゃん‥何かあったんですか?」

 遊子の問い掛けに、今度は言葉を濁さず、あっさとりと雨竜は言い放つ。

「ちょっとね‥会話から判ったコトなんだけど‥‥どうも、記憶混乱があるようなんだ」

 雨竜の言葉に、思わず遊子と夏梨は叫んでしまう。

『そんなぁー』

 そっぽを向いていた一護は、ポツリと言う。

「自分が、何故‥‥入院したか‥‥が判らない‥‥‥目が覚めたら、ここだった」

『えっー』

「だから、何時‥何処で‥どうして、事故ったかが判らないんだ」

『‥‥‥‥』

 なんと言って良いかわからず沈黙する遊子と夏梨に、雨竜が補足する。

「でも、君達が誰かは‥ちやんと判っているから、そういう意味では大丈夫だよ。たぶん一時的なモノだと思うよ」

 一護は項垂れる妹達に、何時もと同じ優しい声で言う。

「ごめんな‥‥お前達にメールしたことも‥覚えていないんだ‥‥‥でも、来てくれてありがとうな‥‥入院の手続きなんか‥親父は当てになんないからさ」

「うっ‥‥うん」


 と、いうところでタイムアウト。続きは、また明日。

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ブラック・ベリィ

Author:ブラック・ベリィ
ブラック・ベリィはラズ・ベリィ&デュー・ベリィの二人サークルです。メインは二次小説ですが、オリジナル小説も有ります。剣と魔法のファンタジーなども書く予定です。
現在はブリーチや黒子にハマッてます。

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